ジェットコースター〜ナゴヤドーム2日目感想〜
ナゴヤドーム2日目の感想をセトリ順をベースにつらつらと。半分レポみたいな感じだけど、あくまで感想ベース。
ちなみに席はスタンド5階席、後ろから2列目、ほぼステージ正面、気持ち1塁よりという感じの位置でした。ホント最初は高さの恐怖にやられるかと(私は高所恐怖症なのです)思いましたが、その辺りは照明が落ちたら割と気にならなく……まぁ、思えばハナっから感情の振れ幅に助走が付いていたとも言えなくない。
と、いうわけで。
ちなみに、私の傾向として、幾ら点であろうと(動きは見えるから言うほど点でも無かったから余計に)、つい生の物に視線をやってしまうので、モニターで見てれば見られた物の多くを見逃していたり。今日は照明演出を零さないようにしよう、といった面持ちでした。
※楽しかった最高だぜイェーイ「だけ」じゃないです。一応注意。
〜第1ブロック〜
1.イリュージョニスタ
安定。いつも通り。最初から感想がこれかよって感じですが、まぁ話したい部分があるっていう事ですのでご容赦。
2.Snow wings
出し惜しみなんてしないよ!って感じの一撃目からオリメンフルメン。デレステは実質この曲から始まったと言っても過言では無いと思うので、感慨深かったですね本当に。
3.追い風Running
乙倉/中島さんは衣装がヤバかったですね。あれは実写化。ステージだから舞台化?
4.アツアツ♪マカロニグラタン
畳み掛けるキュート。
曲を始めて聞いた時からどこからどこまで歌唱パートで、どこまでが合いの手になるのか、というのをずっと考えてましたが、結果として計りかねたという印象。
まぁ五十嵐/種崎さんが素敵だったんでいっか。
5.Sunshine See May
結局game ver.のパート無かったよね?
いやそんな事は置いておいて。
依田/高田さんの衣装と輪郭があっこれデレステで見たやつだ!って心の中で何回言った事か。今回の衣装の中で一二を争うレベルの出来だと思う。あれ衣装の話しかしてないぞ。
6.楽園
いやぁ、出世が早い。
大サビ前の台詞(意訳)「プロデューサーと出会ってから、世界が輝き出した。ううん、世界はきっと最初から輝いていた。そう、あなたに出会えたから…!」(うろ覚え)
担当にこんな台詞言ってもらえるなんて羨ましい奴めこのこの。
7.あんきら!?狂想曲
ごめんなさいまたイントロのhihi間違えました。えぇ昨日もやりました。申し訳ない。
ハグやらデートのお誘い(しかも杏から)と相当ステージでイチャイチャしてたので今回のきらりと杏はこの曲に全振りかなぁ?と思っていた時期が僕にもありました。
8.Snow*Love
しんげき曲は未披露だけかと思ってたので油断してた所にぐさぁっー!
の割に合いの手ちゃんと覚えてたのはすぷふぇす前の特訓が生きましたね。
大槻/山下さんの大サビが聞けた事がとても大きいんじゃないでしょうか。
後は冬コミ犠牲にした荒木/田辺さん、眼帯があるから眼を見るなんて出来ない早坂/朝井さん。
うん、語弊しかない。
こんな事言ってるけどこの曲好きなんですよ。合いの手必死に覚えるくらいには。
9.Starry-Go-Round
回を重ねる度にプロデューサーの練度が上がっているのを実感する。スパイスパラダイスと良い勝負だな!
〜第1MC〜
クールパート。
今回は一気に全員で登場。
初披露やプルナポ発言に沸く会場。
加蓮から発せられたウェーブが自分辺りを終着点に終わるの、軽くエクスタシーだったり。
実際迫ってくる波と色変えがホントに凄かったので、最後に届いたぞー!という気持ちでステージへ振ったペンライトは誇らしかったです。
加蓮のおねだりに応えるとかプロデューサーとして本望が過ぎた。
〜第2ブロック〜
10.きらりんロボのテーマ
大事な事なのでもう1回言います。
き ら り ん ロ ボ の テ ー マ 。
私の事をツイッターで眺めてる方はご存知の通り、鋼鉄公演推しの私にはサプライズ等という言葉では言い表せない大大大トピック。
1日目に南条とやったらヒーローショーだなぁと思ってましたが、まさか2日目、しかも先述の通り「濃い」あんきら狂想曲を済ませた後に、きらり達にこんな出番があるとは。
幹部拘束のまゆ、そしてなんと新キャラ哀妻の響子。
地球の覇権を守る為戦うきらり博士。
しかし
「今度こそ、縛ってあげます!」
「オムライスにしちゃいますよー!」
「グルッッッアッシィィィィビィィィイイム!!!」
容赦の無い猛攻がきらりんロボを追い詰める。
エネルギーも尽きたきらりんロボ、もうダメなのか……。
その時、ピンチに現れるはうさぎロボ。
彼女の先導に、会場をハピネシウムが駆け巡る。
頑張れ!負けるな!立ってくれ、きらりんロボ!
「ハピネスパワー、ふるちゃーじ!」
ハピネシウムを再充電したきらりんロボはもう無敵だ!見事グラッシー帝国を退け、地球の覇権は再びきらり博士の物となったのだ…!
11.あんずのうた
い つ 鋼 鉄 公 演 が 終 わ っ た と 思 っ た ?
崩壊した家に絶望した杏、そして森久保の感情がピークを迎える。
「働かない、全ての者達に告ぐーー」
この辺でやめておこう。
セレンディピティだったのののうたがまさかのフルver.。きらりんロボのテーマと言い、反響凄かったんだろうなぁ(ロボのテーマの方は声を上げた1人なので自覚がある。また感想送らなきゃな)。
今回は最後までしっかり?歌いきった森久保/高橋さん。1人じゃないからね。
……輝子、お前なにやってるんだ?(早坂感)
「フヒ、替え玉大作戦…」
濃かったー
12.おんなの道は星の道
お嬢ーーー!!!!
いやぁ、出世が早い第2号。
「おんなの、道はぁっ……!っ、ほぉぉしの…」
の溜めがいよいよ大御所のそれ。
13.Sparking Girl
カックイイ。紛れもなくクール。
私もですがトワスカで身構えてた方も多いんじゃないでしょうか。
私はキレッキレのダンスを見てそんな事考えてた事実を忘れました。カッコいい多田/青木さん、極まってない?
14.Treasure☆
まさかくるとは思わなんだ。
銃口を客席に容赦なく向ける片桐/和氣さんこわい。
助けに来たと思った杏が今回の敵役。サイキックの力で洗nもとい改心という展開。
杏ときらり忙しいな?
15.ラブレター
今日唯一の「私達ー!」でしたね。(セクギルはそういう曲なのでノーカン)
メラドのアンデッドダンスロックでカボチャが映し出されたように、
ドームの天井に写し出された3人×3通=計9通のラブレターを5万人が奪い合う争いに(なってない)
PCSはMCパートが凄かったんでこのまま次に。
〜第2MC〜
まずはPCSのターン。
美穂「(緊張癖を)克服したいなぁ…」
卯月「えっ、告白したい?」
響子「じゃあ練習しましょう、ほら(客席の方へ促す)」
名古屋弁で繰り広げられる選手権。
両人照れっぱなしの小日向/津田さん、キャラはあんまり照れてないけど照れが隠しきれない五十嵐/種崎さん、全く動じずさらっとやってのける島村/大橋さん。
島村卯月、恐ろしい娘……!
切り替わって残りのキュート勢。
疲れた杏に元気になってもらう為に、杏に食レポをやってもらう事に(支離滅裂な発言)
「味噌おでんですよぉ」は新たな何かを切り開きましたね。
ところで大坪社長見ませんでしたか?ずっと居た気がするんですけど。
16.はにかみdays
さっきまで鬼畜っぷりを発揮してたとは思えない可愛らしいステージ。
17.冬空プレシャス
すみません、まさか冬CDからの選抜がこれとは、想定していませんでした。Snow*Loveをやってたから余計にへっ?ってナチュラルになってしまった。
ホントは「実はアタシ!」のとことかもうちょっと盛り立てても良かったのかなー、なんて。
frost聴きたかっただけかもしれない。
18.この空の下
また意外な、というか、好きなのねって感じ。
一瞬、またMemoriesへのフラグか?と瞬間思いましたがさすがにあり得ないと思ったし、現に違いました。実は今回1番謎選曲だったかもしれない。
19.ツインテールの風
待ってました。
前2曲が声出す感じじゃなかったので、その流れを受けて大人しい会場の雰囲気。
曲調的にもセトリ次第じゃ全然コール入ってただろうなぁと思う。
メガネかけた信長という名の上条/長島さん。
20.マイ・スイート・ハネムーン
照明演出が決まってた!
大サビの時に、ライトで天井に作られた2つの月が、
「寄り添って、口付けしたら」「月が綺麗だねと」
と歌った直後、佐久間/牧野さんめがけ移動し、1つになるという演出。
歓声物だと思ったけど、会場の大半がバックステージを見てるから、メインステージ上側に作られた月をそもそも認識出来てない可能性がかなり高かったのでは、と思うと勿体無い感じ。
21.With Love
美玲P、芳乃P、結婚おめでとう。
引き出物はツメと法螺貝かぁ。
22.恋が咲く季節
ひとつ憑き物を落とせたような感じ。
もうちょっと盛り立てたかったかなぁと思う部分はあるけど、初見の曲だしそういうもんだよなと思う事にした。
トロッコ曲だとも思ってなかったし。
〜第3MC〜
パッションタイム。
サイキックと神通力の仁義なきバトルはハピネシウムに軍配が上がった。
喜多見さんハピバ!
23.Frozen Tears
来るかなぁ、と思ったら来た。
薄荷を期待してた気持ちもあるけど、
やっぱり加蓮は
「今のアタシを見て」
なんだなぁ、とも。
今回はアレンジメント無しのTHE・CD音源。
巷で噂の「ありがとう」はモニターを見てなかったので完全に見逃しました。
そういう意味では綺麗だなぁってずっと眺めてた感じでした。
問題はこの次なんですが。
24.モーレツ★世直しギルティ!
予め念押ししておきます。
セクシーギルティは悪くない。
セクシーギルティのせいじゃない。
セクシーギルティに何かを言いたいのではない。
雰囲気ぶち壊しって思ってしまった。
加蓮が作り上げた空気感を、サイレンと共に全部崩された。
なんだこの曲順。何を思って、何を考えて、何を狙ってそうなったんだ。
あまりに悔しくて、残念で、ショックがあって、1番は声が出なかったし、出したくなかった。2番からはセクシーギルティは悪くないのだから、今この時会場を盛り上げている彼女達にちゃんと応えたい、という気持ちを押し上げて半ば無理に帰ってきました。
しかし。
夜にこだわったから?
だったら薄荷を選んで別の時間帯にするか、なんだったら世直しは別に夜じゃあ無くたって良いはずだ。
確かに、その後のセットリストを見れば、演者の出番の関係上、っていうのも見えてはくる。
けど、そういう演出とは違う都合で曲とその曲が放ったものを悪い意味で無しにしてしまうあの構成は、本当にこれが今まで自分が見てきたシンデレラのライブの構成を考えた人がやった事なのか?とさえ思う。
どうしてこうなってしまったんだろう。
なんていうかね、
Frozen Tearsが無い方がセットリストのまとまりとしては良かったんじゃない?っていう風に思えてくるのが、悔しく悲しいのですよ。
念の為もう一回言います。
セクシーギルティは、悪くない。
(のぐちゆりさんとか好きだし)
25.Love Destiny
この曲で自分のパートを微笑みながら歌う渕上さんが流石過ぎる。
「強くならなきゃ」の振り付けで一際ダイナミックな渕上さんが好き。
「unlimited…」で前髪が少し乱れて垂れてた佐久間/牧野さん、偶然なんだろうけど真に迫る感じが何倍にもなってて鳥肌ものだった。
26.Nation Blue
サイバーグラスオンステージ。
荒木/田辺さんの歌唱力が最高に光る時間でした。
27.Neo Beautiful Pain
レーザーどばっー。
神谷/松井さんが歌い慣れてきたのか、荒削りの価値が光ってた初披露の時とはまた違う雰囲気を持ち始めてるような印象。
レーザーどばっー。
28.∀NSWER
披露する機会が多いからか、小慣れてきてるような。
次あたりから、メンバーじゃない面子での披露候補だったりするのでは?
相変わらず星/松田さんカッケーなー!
29.Trinty Field
今日は照明が描き出す三角形をキッチリ見られた。
トライアドに。原点に。
ありがとう。
30.流れ星キセキ
さっきまでトライアドが居た頂点の位置から120度。
ニュージェネが立つその位置が線で繋がり、
トライアドの残した三角形と重なる。
そこに現れたのは、六芒星。
「流れ星を、探そうよ」
こんな事やられたら、感動で記憶飛ぶよね。
冷静に考えて3曲続けてやった渋谷/福原さん、やっべぇな。
31.always
確かに、曲名が出た時に、名前が無かったんだよ。
でも、引き続きニュージェネだからか、と勝手に納得してたんだ。
メインステージに見えるシルエットは、紛れもなく、漏れなく、そのものだったよ。
いつかそこに、高垣/早見さんも、と祈りたくなりますね。
32.Stage Bye Stage
メラド1日目の衝撃からもう最後の時を迎えたのかと、しんみりしてしまった。
それでも、あんなに楽しい気持ちになれる別れの曲なんて、そうそう無いよね。
33.GOIN'!!!
疲労で正直衰弱してました。
定番曲とは言え最後の方にやるには体力がキツイの笑える。ビヨスタとかもええと思うで。
34.お願い!シンデレラ
VRお願い!シンデレラ開発してさ、各公演の実際にあった動きを完全再現してさ、そこをVRで自由に動き回れるコンテンツ作ろう???
〜あとがき的な〜
ナゴド2日目は、
ロボのテーマあたりでテンションがおかしくなり、どっちの意味でもこれやるのっていう驚きがあったり、演出に凄さを感じる瞬間があれば、まさかそんな…という具合で堪える瞬間があったりと、感情のアップダウンの激しさに、今までに無いくたびれ方をしたなぁと感じております。
開演前にHOT LIMITとか夏色とか流したら楽しかったよねきっと。
認められた嬉しさを
このブログには、11/21現在行われているデレステのイベント「Trinity Field」のイベントコミュのネタバレがあります。
救われたような気がした。
引き抜きと揶揄され、ニュージェネに対する裏切りと言われ、まるで自分の我儘しか言う気がないとまで言われた、アニメでの北条加蓮。
もちろん、デレステでの彼女(達)が、アニメの彼女(達)と同一線上にあるとは考えていない。
しかし、だ。
それぞれのアイドルに取って、ユニットというものが、どういう場所であるか。
ユニットのメンバーというのが、どういう存在であるのか。
それらの根っ子の部分は、共通していると、そう感じているし、信じている。以前から思っていた事だ。
そして、
渋谷凛の口から、比喩ではなく、皮肉でもなく、飾り気さえなく、ただ実直に、
「そうやって、ぶつかってくれるから、こっちもぶつかれる」と伝えられた。
以前(http://kumzazou1.hatenablog.com/entry/2017/09/16/205626)に、アニメでの加蓮の態度は、そうする事で凛自身にも自分の気持ちを主張して、大切にして欲しい、という不器用な彼女らしい姿勢なのでは、と推測していた。
しかし、推測の域を出ないものであり、推測でしか、アニメでの加蓮の振る舞いを担当として認めてあげる事は出来なかった。
誰にでも取っていい接し方ではない。
対等でいたい、だとか、相手にも素直に、思った事を言って欲しい、という目的は良くても、その過程として、必ずしも褒められたものではないというのも真っ当な意見だろう。
けれど。それでも。
渋谷凛は、その過程を、手段を、認めてくれた。
他でもない、渋谷凛がそれを認めてくれたのだ。必要と、してくれたのだ。
繰り返すが、デレステでのトライアドプリムスと、アニメでのトライアドプリムスは、その過程は異なるだろう。
しかし、加蓮と凛に取ってのトライアドプリムスとは、そして互いの存在とは、という部分は、きっと同じなのだと思う。
だから、きっと、アニメでの凛も、加蓮に対して、同じように思ってくれていると、信じても良いと思った。そう信じる事が、許されたと思った。
僕は、アニメでトライアドプリムスに出会い、そこに立つ北条加蓮に惹かれ、今日に至る。
ずっと、心の中で引っかかっていた。
自分が惹かれた北条加蓮という存在の行いを、認めてあげたいと思う事は、実はとんでもない事で、盲目な自分以外、誰一人としてそれを認めていないのではないか、と。
現にあった多くの批判こそが、その証明なのではないかと。
けれど、誰よりも心強い仲間が、そんな加蓮を認めてくれた。
大切な担当の事を、理解して、認めて、共に往くと、口にしてくれる人がいる。加蓮と対峙した上で、そう言ってくれた人がいる。
恥ずかしながら、安堵の涙が、止まらなかった。
僕が好きになったトライアドプリムスは、北条加蓮は、僕が作り出した都合の良い幻想じゃなかった。
極端な表現なのかもしれないが、そのくらいの衝動が、凛のたった一言によって引き起こされたのです。とんだ…、ですね。
最後に
おそらくですが、今回のイベントコミュは、賞賛を多く受けるのではないかと思います(現に自分のTLではそのような声が多い)。
ですが、トライアドプリムスの本質は、北条加蓮の本質は、アニメの時から変わっていないのです。
今回のコミュは、彼女自身がそう言ったように、改めてその本質と向き合った物語でした。
もしかしたら、加蓮への強い好ましさによる盲目ゆえの賞賛なのかもしれません。
だからこそもし、
今回のイベントコミュの物語を、
トライアドプリムスの物語を、
北条加蓮の物語を、
+の感情を持って受け入れてくれたのなら。
例えば、ぜひもう一度、アニメでの加蓮を見て欲しいと、思います。
加蓮が見せた我の強さも、向き合う強さも、そこに変わらずあるはずだから。
例えば、彼女は今回、何度も、明確に、口にしました。
1番になりたい、と。
刻みつけたい、と。
謙遜混じりでもありますが、確かな意思表示です。
「アイドルになる」という叶わないと思っていた願いを遂げた加蓮が、
次なる願いをついにハッキリと示してくれました。
彼女が、その願いを遂げられる場所が、少なくとも1つあります。
シンデレラガールズ総選挙。
彼女が1番になりたいと言ったから力を入れるんじゃない。
僕は、
厚かましい言い方をさせて頂けば僕ら担当は、
ずっと彼女が1番で、1番になって欲しいと思っています。
今この時に、僕らと加蓮は、同じ方向を見ています。
ガラスの靴を差し出せるのは、僕らしかいません。
あの時、北条加蓮の強さに惹かれた男の大きな独り言でした。
聞いてくれてどうもありがとう。
アニデレにおける加蓮と奈緒の振る舞いについて
アニデレにおける加蓮と奈緒、特に加蓮の振る舞いについて、嫌悪感といった引っかかりを覚えている方が結構いらっしゃるらしい、と風の噂で聞いたので、その事について少し私の考察っぽいものを述べます。
まずは、加蓮と奈緒のした事(実際に表に出した事)を少しだけピックアップします。
以下に挙げるのは殆どファミレスでの発言等です。
自分はこのチャンスを逃したくない
奈緒と凛と一緒に歌いたい
凛はどうなの?
もう一度合わせれば、きっとわかる
来なかったら仕方ない
凛の立場をわかっているつもり、それでも懸けたい
感じた何かはきっと本物
といった具合です。全てでは無いのでご注意を。
さて。
加蓮も奈緒も、凛の立場や気持ちを考えていないわけではないし、その事を口にもしています。
決まっていたはずのデビューが潰れ、それでも舞い込んだチャンス。同情や気遣いだけで手放すには余りにも、惜しく、辛い。
そう2人の心中を察するのはそう難しい事ではないはず。
では何故嫌なイメージを持たれるのでしょうか?
私が感じた3つの要素は、
- 視聴者はシンデレラプロジェクトを中心にこの世界を見ており、彼女らが尊重される事が何よりのハッピー展開?
- 特に加蓮は、凛に対しては、自分の意思についてばかり伝えている
- まるで加蓮と奈緒はシンデレラプロジェクトと敵対し、あまつさえ潰す側に立っているように見える?
です。
では、それぞれについて見ていきます。
1.視聴者はシンデレラプロジェクトを中心にこの世界を見ており、彼女らが尊重される事が何よりのハッピー展開?
シンデレラプロジェクトを通して物語が描かれているので、視点の中心がシンデレラプロジェクトにあり、そこから世界を見ているのは、ある種当然の事です。当時は自分もそうでした。ていうかそもそもそういう構成ですしね。
この視点の問題は、2.についても強く関わってきますが、ここで述べたいのは、
シンデレラプロジェクトの視点で物語を見る、というのと、シンデレラプロジェクトがこの世界の中心だと思って物語を見る、というのは違うだろう、という事です。
後者のような、シンデレラプロジェクトが全面的に絶対的に尊重されなければ、もしくはそうならないように振る舞う存在に嫌悪感を抱く(※常務の横暴さは明確な敵役演出なので別)、という事があれば、
極端な言い方をすれば
「シンデレラプロジェクトの面々が望むような展開になる為に、その他のアイドル達の進退は犠牲にすべき、もしくはどうでもいい」
という考えに通じ、
それは例えば
「人気のあるアイドルが優遇されるのは当たり前で、その結果そうでないアイドルがおざなりになるのも当然」
「音ゲーなんだし声付きアイドルばかり活躍したりガシャの機会が増えて他がおざなりになるのは当然」
といったようなところにまで発展しかねない、もしくはそういう考えを暗に支えている発想だと思います。
物語の視点がシンデレラプロジェクトに置かれているのは事実です。しかし、だから彼女らが絶対的に尊重されるべき、というのは違うと思うのです。
誰もが、シンデレラ。
このフレーズは、本当に重い。
2.特に加蓮は、凛に対しては、自分の意思についてばかり伝えている
大前提として、歩道橋でのやり取りからわかるように、奈緒と加蓮は意識や気持ちの方向を共にしていて、凛との向き合い方も共通している、という事があります。
それを踏まえて話をします。
21話で「アタシ達のせいだよな」と言った奈緒は、凛が自分のせいだと言いそうになるのを遮って「それでも」と話を続けます。
これは、凛の話を聞く気がない、のではなく、凛に謝らせないための対応だったのではないでしょうか。
凛を苦しめているのは紛れもなく自分達で、凛が自分のせいだと謝るのも、自分達に気を遣った結果自分達を(も)選ぶというのも良くない。自分達のワガママを伝える以上、同じくらい凛にもワガママになって答えてもらう事が、加蓮と奈緒の望む所だったのではないでしょうか。
しかし「待つしかないから」という言い方は棘があるとは思います。「待ってるから」で良かったはずです。この言い方については、加蓮と奈緒の立場の脆さ、チャンスをまた失うかもしれないという怖さから、思わず出てしまった言い方なのだと思います。そのくらいは許して欲しい。この段階ではアニデレでトップレベルにキツイ境遇の2人なんですから。
少し脱線しました。戻します。
加蓮と奈緒は、自分達のしたい事、成したい事だけを敢えて伝えて、凛と向き合いました。
同じように凛が、自分の望むように選択した結果、トライアドを選ばなければ、きっと2人は納得したのだと思います。またこの時の凛は、周りに気を遣うばかりで、本当に自分の成したい事を言葉にしていませんでした。
この、自分の成したい事を明らかにして、その為には未知にも臆さない、という進み方は、最終的にシンデレラプロジェクトが辿り着いた答えの1つとなります。
アナスタシアと未央と美波がソロ活動という形で、仲間のチャレンジを応援し、自分もまたチャレンジしていったように。
自分には何があるのかわからない、それでもアイドルで居たい、と語った卯月と、その手を取ったプロデューサーのように。
みんな今頑張っているから、みんなに私の声が届くように、会えなくても大丈夫、怖がってばかりだと見えない景色があると思うからetc……と最後に語った、シンデレラプロジェクトのように。
思い返せば、大切にしたいステージのために、クローネの誘いを断った楓さんも、通ずる所があります。
今までしてなかった事、これまでの在り方を大きく変えてしまうかもしれない事に選ぶのは、たとえそれが自分のしたい事だとしても、怖いはずです。
加蓮と奈緒も、同じです。むしろ一足早く、その姿勢を確立していたのです。
加蓮と奈緒も、物語が帰結した在り方をしていたはずなのに、あまりそう受け取ってもらえていないような感じがします。
このすれ違いは、おそらく常務が悪役として描かれたからなのでしょう(横暴=悪役という図式が成り立つのであれば、悪役なのだと言い切る自信を持てますが)。③に続きます。
3.まるで加蓮と奈緒はシンデレラプロジェクトと敵対し、あまつさえ潰す側に立っているように見える?
加蓮と奈緒が凛をクローネの一員に引き込もうとしている事は、シンデレラプロジェクトを潰す行為であり、それが許せない。そう感じている方がいらっしゃるかもしれません。
悪役の率いるプロジェクトクローネに属する事は、悪に降ったという事なのだと。ましてや「主人公」であるシンデレラプロジェクトからの引き抜きなど、許されるはずもないと。
常務が敵役としてあったのは賛同しますが、プロジェクトクローネという存在が敵役であるとは思いません。
そもそも、プロジェクトクローネの活躍=シンデレラプロジェクトの解体ではないのです。
シンデレラプロジェクトの存続をかけた評価は、プロジェクトクローネとの比較で行う、とは述べられてないのです(常務は今季末に何かしらの結果・成果を上げろとしか言ってない)。
という事は、渋谷凛を引き抜く事はシンデレラプロジェクトを潰す事だ、というのは、
渋谷凛を引き抜いてしまうとシンデレラプロジェクトは成果を上げられなくなる、という意味になります。
ん?
シンデレラプロジェクトって、そんなに力の無い部署でしたっけ。
渋谷凛は、2つのユニットの両立を、簡単ではないとはいえ、こなせないような存在でしたっけ。
今思えばですが、少し嫌な言い方をすれば、アニデレ世界における凛は、僕らの知る絶対エース、シンデレラガールの渋谷凛では、ないんですよね。
ちょっと矛盾しますが、むしろ当時の私は凛ならなんとかこなしてしまうだろうと心の何処かで思ってました…。
ダメージが致命傷じゃないから責められる事では無い、と言いたいのではありません。
このやり取りから生じる後ろめたさは、凛も奈緒も加蓮も感じていますし、時には言葉にもしています。そういう気持ちを抱えたうえで、アイドルになりたい、と自分を奮い立たせた加蓮と奈緒は、僕はカッコいいとさえ思います。強さを、感じます。
未央と卯月の気持ちを考えろ、という意見は当然あると思います。
辛かったと思います。その瞬間は、裏切られた気持ちにさえなったのでしょう。未央と卯月にとって、ニュージェネが全てだったんですから。
では、同じくらい加蓮と奈緒の気持ちを考えてあげてください。
辛かったと思います。決まっていたデビューが突然無くなり、裏切られた気持ちにさえなったのでしょう。その時、2人がデビュー出来る可能性は、トライアドが全てとなりました。
苦しんだから許されるのではありません。苦しいからこそ、自分達がどう凛と向き合うべきか悩んで考えた結果があの姿勢だと思うと、随分印象が変わってきませんか?
そう決意させたのは、画面にいない、彼女達のプロデューサーとの関わりもあるかもしれません。仮にそういう存在がいるならば、加蓮と奈緒とプロデューサーは、自分達が離れたとしても、アイドルとしてデビューする事を選んだという事になります。正直、泣けてくる。ごめんなさいここはぶっちぎり妄想です。スピンオフを作らないかなぁってずっと思ってましたが思ってただけでした。ごめんなさい。
ところで、未央は、彼女が強い人で本当に良かった。プロデューサーの助力もあったからこそかもしれませんが、彼女は1度も加蓮にも奈緒にも当たったりしなかった。あの世界でいちばん2人の事を救い、背中を押してくれたのは、未央かもしれません。本当に感謝したい。ありがとうございました。
〜結び〜
2.で述べたように、加蓮と奈緒の振る舞いは、結果としてシンデレラプロジェクトの辿り着いた在り方と同じものでした。
シンデレラプロジェクトが目指した心意気を、シンデレラプロジェクトという枠の外、もっといえば対とも言えるような場所で実践していたのが、アニデレでの加蓮と奈緒という存在なのではないでしょうか。
この2人の向き合い方のおかげで(未央のおかげというのも同じくらいかもっと大きいくらいですが)、凛は以降トライアドプリムスとして活動する事に、変な後ろめたさを感じる事も無く居られるのは、その後の様子から察しても許されるのではないでしょうか。
長くなり過ぎました。
誰もがシンデレラ、という事の意味の1つは、どのアイドルにも物語がある、という事だと私は思います。
アニデレから早2年。
デレステや5thツアー等々を通じて、誰もがシンデレラである事を、再び強く意識している今なら、2人の「強さ」に気づいてくれるのではないでしょうか。
あの時、その「強さ」を初めとした数々の魅力に惹かれ、担当を名乗るようになったしがない加蓮Pの、大きな独り言でした。
北条加蓮をよろしく(熱いダイマ)
くまぞう